かわいらしいファンタジー中心の短編集。
ひとつひとつの作品はかなり短いです。試し読みで『ヒカリノクニノユメ』(フルカラー)が丸ごと見られるので、著者作品初見の方はまずどうぞ。夢の中で訪れる博物館といった風情が素敵です。
以下、星5つ作品
の感想。
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・『折紙姫』女の子と、折紙の人形と、金魚と、海への憧れ。これを、これをカラーで見たい……!女の子の登場シーンはサイレントというのがまた、夢想世界と現実との線引きがくっきりしていて良かったです。なんとも愛らしく少し悲しい子供らしさがあって、「これこれ、この作者さんのこういうのがいいんだよ!」と鷲掴まれるショート。
・『映画館に続く道』迷いながら進む若者の心。キャラクターは愛らしい犬とかネズミとかの姿なんですが、内容は染みます。同著者別単行本『ライム』にフルカラーで収録されてます。
・『ドロシー』亡くなった祖父の秘密の部屋を訪れた青年、見つけたものは美しい女性の写真とその人にそっくりな小さな人形。不気味ながら魅惑的な怪奇ホラー。
・『セールスマン』今なら「サトラレ」と言えば通じやすい能力を持つ男のコメディー。けっこうしたたかに能力活用してて、深刻に悩んだりしてなくて楽しかったです。
・『砂漠の子』砂漠の真ん中が舞台の、トビネズミに聞こえる唄のお話。絵本にしても良いようなメルヘン。こちらも『ライム』にフルカラーで収録されてます。
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もうひとつ、宮沢賢治へのオマージュ作品『月夜のでんしんばしら』も、星5つには及ばないながらも好きです。
@サブスク
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