ドラゴンはリリーにとって信頼できた。何て早い信頼感の構築。直感なのだとは思う。でも、兎に角争いの絶えない時のこと。敵味方、親族もいろいろ、失われた月日の長さ。内戦による肉親の死。女性の結婚は領土と関係する。
上司に逆らう形のリリー救出。既
にそこにドラゴン(イアン)のリリーを守る気持ちがあるけれど、リリーは形ばかりのインスタント結婚に不満。HQ的展開が、公式に当てはめようとする意図は鼻につく所はある。
ダーイのシーンが辛かった。
一巻目は、二巻目への興味をつないで思わせ振りな登場をするキャラが何人もいて、彼らがどんな役どころかを上手に捌いていた。絵も可愛らしくて。といって子供っぽい訳ではない。
シリーズの他の作品より人物像が、絵として少し安定してないような感じはした。両目のポジション、顎の輪郭の同一人物感の薄さ、などはあった。
キャトリンがヒロインのほうの作品ではニコラスを少々不透明に描いていたが、あれはそういう描写で、敢えて読者の目を多少くらましておく意図を感じたものだが、こちらは典型的な偽装結婚話にヒロインがフテるという構図なので、このストーリーの独自性は、領土が絡んでいる、ことくらい。
キスシーンは良かったので、そこまで彼の本心を疑わせなくても、とは思った。
ヒロインの母親も物凄く悲惨なのだ。この話は、二人のヒロインも含めると三人、否、イアンも、いずれも辛い経験があり、昔は戦いに明け暮れていたことをクッキリさせて、兵士も居て、呑気な話ではないのである。
その中で咲く恋。甘さばかりでは生きていけない時世としても、ピリッとしていて、緊張感が入り込む先に先にと語りかけが、うまい。事件連発で。二巻目にあっという間に突入だ。
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