4編分の短編集です。
(短編といっても単行本で全4巻、一編につき1冊分のボリュームはあります。)
3編目だけ珍しく昭和30年代の学生が出てくる現代(近代?)物で、他は時代劇です。
個人的には13話目から始まる2編目が、なかなか奥が深いとい
うか興味深く読みました。
簡単にいうと、内容は所謂大人の童話系の話です(^^;。(…まあ、3編目以外は全部そうなんですが。)
でも、きちんと?説得力を持たせて描かれているので、ネタの割にはそれ程下品に感じませんでした。
私が特に興味深いと思ったのは、とある人物の強さに闇雲に心酔して…今風にいうと追っかけをしてる主人公よりも成り行きで組んだ嫁の方が、そのとある人物の説いた志を大事に受け取って、別離を選んだ事です。
それは足手まといにならない為の方便だったかもしれませんが、両者の対比が面白いなと思いました。
結末も決して後味の悪いものではありません。
ほぼ台詞無しで語られるエピローグは、丁度いい具合に想像をかき立ててくれました。
物語性も画面構成も共に面白かったです。
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