ストーリーが濃い!!
2〜3時間映画を見ているような…そんな複雑なお話でした。
樋口先生の作品はどれも情景描写が美しいことで有名ですが…今作も、架空の国ではありますが緑豊かな美しいヨーロッパ風の風景が目に浮かぶようでした。のびやかで
きらめいて…想像するだけで楽しくなります。
受けと攻めはどちらも意地っ張りで、すれ違いっぱなしです。
でも、すれ違うほどにお互い「なぜ僕はこんなに怒っているのかな、悲しいのかな…」などなど、自分の気持ちの理由を深く考えるようになります。なので、すれ違うほど相手への愛が深いことに気づいていくんですね…最高…ありがとうございます…。
そして、この心理描写がまた巧みなんですよね…。心の中しわを一本一本引き伸ばしていくみたいに、すごく丁寧に葛藤が描かれています。この細やかさは、樋口先生作品ならではだなあと感じます。
他の先生の作品では、ここまでキャラの心の揺れ動きに気を遣ってはいないので。
繊細な心の描写に、胸が引きしぼられたり、あたたかいもので満たされたり…読者の感情は翻弄されます。ジェットコースターに乗ってるみたいですごく楽しいです。
エロシーンは2〜3回ありますが、くっついてからのエロがなかったので少し寂しいかな…。番外編を読みたいです!甘々ラブラブな終わり方をしたので、くっついた後の幸せな2人の話が読みたいなあと思いました。
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