スクールカーストの「安全圏」にいる男と「その他」にいる男が恋に落ちるお話。
スクールカーストや人間関係の利便性ばかりを意識して過ごしている佐野は毎日をつまらないと思って過ごしている。ハブられたくない、価値のある人でいたいと思って過ごすその
価値観も間違っているとは思いませんが、自分の感情を殺したようなその生き方では楽しくないのは当たり前だと思います。ある意味他者の目を気にする若者らしい生き方だとも感じました。
高田はそれに反し、精神的に一歩も二歩も大人なんだと思います。彼のあらゆる意見はとても真っ当であり、何が大切であるかをきちんと理解しているように思いました。佐野にとってみれば、そんな真っ当な本音をぶつけてくれる高田は珍しくもあり稀有な存在だったのでしょう。興味を持つのも当然だし、やり取りの中で素でいることの居心地の良さを感じていくのは、彼の心の再生だと思いました。
そして、夏木が佐野の本質を見抜いていながらも関係をはっきりさせないのも、彼の心の弱さでありズルさだと思いました。
三者三様の考え方がぶつかって、傷付けたり選択したりして藻掻いて人間関係を作っていく様子はまさに青春だなと良い意味で青臭さを感じさせてくれる作品です。
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