まずBLジャンルですが、やはりこの作品はBLとして読むと、良さが伝わらない作品だと感じました。
そして、読後感悪くは無いですが、私は何度読んでも綺麗には着地出来ない心持ちになります。
最初に読んだ時は完全に掴みきれず、再読してみると作品
の深みに驚かされました。
読んでいて辛い部分が多いけれど、突如血が通った様な温かさに心が震えて涙してしまう。
こういう作品は答えを出さずに何度も読み、考えると思います。何が正しいとか、あの人のあの行動はダメだとかそういう話では無いと思うのです。答えを出さずに心を動かす。そういう作品だと思います。
度々映画の例えで申し訳ないのですが、ダルデンヌ兄弟の作品の様な余韻です。読んでいて心が軽くはなりませんが、ズシリと、でも不思議と温かい余韻にしばらく考え込んでしまう…。
人生だって答えなんて出せずに死んでいくんだから、漫画だって自分の中で着地させなくて良いと思うんです。
こういう作品、本当に好きです。
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