同じ飲食店で働く昔の恋人同士の二人が、普段はケンカばかりしているが、実はお互いに未練タラタラで今も両片想い。そんな二人が周りに温かく見守られながら復縁するまでのお話。
最初から相原と嘉島が共に片想いしていること、それを周りに相談しまくって
いるので知らないのは当人たちだけだということ、周りも二人の気持ちを知っていて応援しているという状況なので、読者もその二人の恋愛模様を知るモブになった気分で楽しめます。二人共天の邪鬼で、その反抗っぷりがある意味息ピッタリなので、素直になれなかった気持ちや年月と共にこじらせ度が増していて、あと一歩なのになかなかくっつきません。でもその焦れ焦れっぷりがとても面白く、微笑ましく思いました。
後半、嘉島が急に相原に気持ちを爆発させ、超デレ期に入りますが、それでもすぐにはくっつかないのがこの二人の面白いところ。だからこそ、やっとくっついた時の安堵感は半端ない感じがしました。お互いの告白が拗らせを如実に表すかのような熱烈で長い独白だったのも最高に面白かったです。
何事もなく付き合った1年や関係が進展しない5年ではなく、二人がくっついた瞬間を一緒に喜べて幸せになれる一冊です。
もっとみる▼