現代を生きる民がゆえに現代詩はあまりに直接的に入ってくると感じてしまう。なので現代詩からは少し距離を置いてたんですが、ARUKU先生のモノローグは遠ざかっていたアレと再び出会う気持ちになります。フォロー様がお好きなARUKU先生。オススメ作
品をありがたく読んでいるうちに自分もすっかり虜です。「100年後きっと君はいない」誰にでも当てはまる当たり前な事実。そのことに「泣きたくなってしまう」登場人物。よくある文字の羅列の一つだ。初めて見る配列じゃない。それなのになんで泣いてしまうんだろう。自分が自分として生きていく中で、恐らくこの命を生きているうちには残念ながら知ることのない感情の一つだろうと漠然と思う。世の中にあまたある物語の中で、恋をする人々が"君を思うと胸が張り裂けそうになる"と言う。理解し考慮出来るけれど、同調することは難しい。自分の経験のない出来事は借り物のようになってしまう。実体験出来なくとも味わうことができるのが物語。分かっていても無味乾燥な情緒の持ち主のタイプなのです。でも、そんな自分でも少し分かりましたよ。盲目的に怖いほどの恋をしている主人公に、それは一時の感情なのだと大人が諭す。体験したことがあるんだろうと察せられるその登場人物の言葉に、ああこの主人公のこの激情も一時の一つなのかと理解する。恋が愛に変わって穏やかになることは当然。それでもあの激情はどこに行くんだろうか。あの情熱分の体積は一体どこに。エネルギー保存の法則にふと思いを馳せれば、然りどこにいくわけもなく。無味乾燥な情緒の自分でも、この主人公が身も心も引き裂かれてしまいそうになって恋をしていることがよく分かりました。なんで分かった感覚になったんだろうなぁ。それがわかったら自分と同じく胸が張り裂けるほどの激情を借り物にしている方にこの作品をおすすめできるのだけれど。すみません、わからんや。
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