クズの本懐 名言集

花火は、幼い頃からお兄ちゃんと慕っていた鐘井鳴海に片想いをしていました。鐘井が自分の通う高校に教師として赴任してきたことに喜んでいたのもつかの間、鐘井が同僚である音楽教師の皆川茜に想いを寄せていることに気づきます。意気消沈する花火は、同じように皆川に片想いをしていたクラスメイトである粟屋麦と、報われない気持ちを補い合うために疑似恋愛として付き合うことにします。花火は鐘井を思い浮かべながら、麦は皆川を思い浮かべながら、キスをしたり触れ合ったりする二人。当事者だからこそ、報われない恋に浸れることができない切なさを感じるシーンです。

絵鳩早苗は密かに花火への想いを募らせていました。叶わぬ恋と諦めつつも、花火と会えると浮き立つ気持ちを抑えられません。そんな健気な早苗が内心つぶやく一言です。一方で、麦に想いを寄せながらも、自分の中で相手を都合よく作り変えちゃうのが怖いという鴎端のり子は「やっぱり本物と会える時間が一番なの　そのために今があるの」と言って、麦への愛情表現を惜しみません。すっかり諦めている早苗と、全く諦める気のないのり子。同じように報われない片想いをしていても性格の違いがみえるのが面白いところです。

麦が想いを寄せる音楽教師の皆川茜は、自分以上に好きになる相手がいないため、他人から評価されている異性にしか興味をもつことができません。モテモテである花火が鐘井へのことを好きだと気付いたことで、彼女は彼を落とすことに決めます。彼女が鐘井のことを好きではないことに気付いた花火は、なぜ自分が好きでもない異性から好意をもたれたいのか問い詰めます。その際に答えた皆川の一言です。誰よりも自分のことが好きだから、他人から向けられる好意が気持ちいい。花火からは「クズ」呼ばわりされる皆川ですが、ある意味天性のビッチとして清々しさも感じられます。